◆「リンの谷のローワン」シリーズ◆エミリー・ロッダ[作]さくまゆみこ[訳]/あすなろ書房

バクシャー(牛のような動物)のスターとローワン 1巻は「ローワンと魔法の地図」ですが。
数年前に、1巻が発売になったときは、読み途中で「・・・」と、途中で終わらせてしまっていたんですね。
そんで、今年、4巻の「ゼバックの黒い影」を読んだんです。珍しく、途中巻から。
そしたら、まぁ。じわじわと来て、全巻読み終える頃には、すっかりハマってしまいました〜。
ヘタレ主人公好きには、ローワンは応えられません!

作者のエミリー・ロッダは、今大人気の「デルトラ・クエスト」シリーズの作者です。
そのせいで「ローワン」の続きを執筆してもらえない気がするのは、ローワン好き故の深読みでせうか・・・。
ロッダさんが、シドニー出身のせいもあるのでしょうか、お話の骨格は「民族間抗争」です。あまり詳しく書くとネタバレるので、内容は触れませんが、いくつかの種族がそれぞれの風俗や価値観、道徳観を持って生活し、お互いに協力し合い、反面争いあい・・・といった風な。
その辺が、とても興味深いです。
1巻では、ローワンの冒険と、謎解きがメインとなっていて、あまりそんな大きいテーマがあるようには感じられないんですが、2巻以降が!

リンの村に住む人々は、逞しい体格と同様に、勇気にあふれる民族。
そんな中で、ひとりだけ毛色の違う少年がいた。年齢の割にひ弱で「自分の影にも怯える」と、村人達から冷やかされては、顔を真っ赤にして俯く、主人公のローワンだ。
母親にすら、自分の臆病さを分かってもらえず、もてあます日々を送っていたローワンに、否応なしに村の存亡がかかってしまうが・・・!
読んでいると、ローワンの弱々しさが心配になり、なのに片意地張ってたりするところなんかもあって、ダメじゃん!とか思ったり。
ファンタジーの主人公にあるまじき(笑)花粉症である、というのも、よりローワンを身近に感じられる一因。←とことん不憫なお子だよまったく・・・。
シリーズの中で私が一番面白かったのは4巻の「ゼバックの黒い影」です。次は3巻の「伝説の水晶」かな、と。
全編通して、おどおどしながら、涙と鼻水まみれになりながらも、困難に立ち向かうローワンを、愛しく思ってたりします。
でも、5巻にきて、ちょっとだけ頼りがいが出てきたかな〜。

人間の醜い部分や、理解し合うことの難しさなんかはもちろん、自然の恵みの大切さや過酷さ、ストレートに言葉にすると陳腐でアレなんですが、家族の絆やすれ違い、友情の暖かさをかみ締められる物語です。

「ローワンと魔法の地図」
「ローワンと黄金の谷の謎」
「ローワンと伝説の水晶」
「ローワンとゼバックの黒い影」
「ローワンと白い魔物」
・・・・・・以下、続巻かどうかは未定。

・・・しかも、タイプミスでDがひとつ多すぎ・・・。

と、ポストカード用に描き直した絵の一部をUPです!ちょっと丁寧に描き込んで見ました。でかくてスミマセン。

ちょっと鼻かみすぎて赤くなってます(笑)

もどる


+++許可のない転載/複製は禁止です。+++No reproduction or republication without written permission.+++