◆しゃばけ1◆畠中恵[著]新潮社[刊]
一太郎さん

よもや髷を、好んで描く日が訪れようとは、思ってもいませんでした去年までの私。
「しゃばけ」読むまではね・・・。
にしても、精進が必要です。ガンバルよ・・・。難しいよ髷・・・着物もね。

TVの時代劇は好きで、一時期結構観ていましたが、自分で描くつもりはなかったので、本当に物語を楽しむだけで、「観察眼」が働いていなかったのが悔やまれる・・・。
(よっぽど夢中になっちゃうとアレですが、普段はファンタジー映画観たりする時って、微妙に創作モードが働いたり、しませんか?)
しかも武士じゃないんですよ、商人ですよ。記憶に残らんがね。

ググってみたりもしましたが、でてくるのはやはり武士メイン。
そんな中でお役立ちだったのが、文化デジタルライブラリーさんと、江戸暦さん。
それから妖のイメージとかは妖怪世界さんは、白澤が詳しく出ていて助かりました。

って、全然「しゃばけ」の内容に触れてない〜★

05年5月現在の既刊は、「しゃばけ」「ぬしさまへ」「ねこのばば」の3冊です。「しゃばけ」は1冊まるまる1つの物語ですが、以降は短編集になっています。そこがまた潔くて、私としてはヨイ感じです。

江戸は日本橋界隈が舞台の、ミステリ妖怪仕立てのお話。
何かと寝込んでばかりの、超虚弱主人公、一太郎(17歳、廻船問屋長崎屋の若だんなです)と、その手代兼兄やのふたり、仁吉と佐助を中心に騒動が起こります。

ミステリとは申せど、最も興味を惹かれたのは、登場人物たちの背景です。一太郎はもちろん、手代や、一太郎の両親、兄、幼馴染の栄吉まで、きちんと描き込まれていて、そしてそれらに作者の自己満足的蛇足感がないのがまた面白い。この手の設定って、ともすると読む気を失せさせたりするんですけど、続巻への布石ともなっていて、上手いなぁ、と思った私です。
なんていうんですかね、こう、想像膨らむというか。アレコレ思い巡らすというか・・・。
巡り過ぎて、本作りそうな勢いですよ(笑)。

もどる

+++許可のない転載/複製は禁止です。+++No reproduction or republication without written permission.+++